べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)



べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)
べてるの家の「非」援助論―そのままでいいと思えるための25章 (シリーズ・ケアをひらく)

商品カテゴリ:医学,薬学,医療,看護,介護
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精神障害をかかえた人びとが共同生活を送る北海道・浦河町のグループホーム「べてるの家」。その特徴は、病気を治療し、社会復帰をめざすのではなく、悩み、弱さをそのまま受けいれ、問題だらけの人生を肯定する力の獲得をめざしていることだ。本書は、1984年の設立からの道のりを、メンバー自身、および彼らを支えてきたソーシャルワーカー、医師、地域住民らがありのままにつづった記録集である。

?「べてるの家」が全国的な注目を浴びたひとつのきっかけは、地元特産の昆布を売る会社をみずからの手で起こしたことだった。しかし本書によれば、その目的は「苦労を取り戻す」ためだったという。「利益のないところを大切に」「安心してサボれる会社づくり」などのユニークなモットーは、一般的な企業の発想とは正反対の右肩下がりのものばかり。こうした理念が生まれた背景には、心の病という現実から逃げずに向き合った一人ひとりの人生との格闘、および「三度のメシよりミーティング」を行うお互いの関係づくりの歴史があった。

本書には、幻覚や妄想をメンバーが競って発表しあう場面など思わず笑いを誘われるエピソードが満載され、全体にユーモラスなトーンが貫かれている。しかしそれは、「べてるの家」の存在が、近代的な昇っていく生き方に対する無言の批評となっていることをも意味している。医療・福祉関係者はもちろんながら、むしろ正常という病に侵されているふつうの人々にこそ読んでほしい1冊だ。(松田尚之)



う?ん

期待していたような、誰でもべてるになれるメソッド本という感じではなかった。残念

内容も雑多なものがそのままおいてあるという感じでもう少し統制が取れていればな?という感じ。

でも、ミーティングの中身とか気になりますね
障がい者が悪いのではないんだ

精神障がい者たちが会社を作った、ハラハラするけどある意味とても痛快
素敵な人たちが住む浦河だから可能だったのかも知れませんが
がんばらなくてもいい、そのままでいいという言葉が心に沁みました
精神障がい者が悪いのではなく、その家族が悪いのでもない
病気が悪いだけなのだもの。障がい者を支える人たちの気の遠くなるような寛容さに
ただただ頭が下がります。でも疲れるだろうな。
「べてるの家」は現代社会の逆さ鏡

「降りる生き方」「ありのままの肯定」「弱さを絆に」「弱さの情報公開」「三度の飯よりミーティング」「幻聴から『幻聴さん』へ」...べてる・ワールドから生まれた数々のキーワード。ひとつ一つのキーワードが、ひとり一人の苦労の雪だるまの人生の果てたどり着いた「べてるの家」での実践から生まれた。
当たり前のようにできていたことが、とてつもなく難しくできにくくなってしまう。人とつながりたいと思うほどますます孤独になってしまう。精神疾患をかかえることで、一見、常識がくつがえってしまう...それが精神障害を抱える人の世界かも知れない。実にパラドックスに満ち満ちた世界。
であればこそ、発想を逆転してしまおう。「非」援助という援助、幻聴も妄想も大切で有益でありがたく役にたっているもの、専門家に占有されていた病気の「当事者研究」...「非」常識を常識に、とでもモットー化可能だろう。
「べてるの家」は、だから、現代社会の逆さ鏡である。


「援助論」のコペルニクス的展開です。

ヒューマンサービス及び対人援助を生業にしている専門家の方々には必読の書です。
具体的な方法論という視点でも、更に方法論のバックグラウンドとなる「人間」という対象への洞察という視点でも、多くの発見を得ることが出来る充実した内容です。
援助やケアに関する様々な理論があらゆるフィールドで展開されていますが、それが「援助側」という枠組みの中で構造化されたものであるというパラドックスに改めて気づかされると同時に、「当事者」と「援助者」の新しい関係性について考えさせられました。

本当に血の通った、生きた言葉が踊る、文字を通して人間の臭いが伝わる「良書」です。
歌って踊れる患者になる。

私は、精神的な障害について特段の思い入れがあるワケではないけれど、この本は本当に面白かった。本が面白いというよりも、きっと「べてるの家」そのものが痛快なのだ。北海道の襟裳岬の手前に浦河という町がある。その町に大きな病院があり、その病院の精神科に入退院を繰り返す「患者」たちが浦河の町の中に作業所を作って、金儲けを企む。病気は治さないと宣言する医者、精神科に出入り禁止になったソーシャルワーカー。妄想や幻聴を「個性」としてみんなで共有し、「妄想・幻聴大会」を開いて、町の名物行事にする「べてるの家」に集う人たち。警察、救急車は日常茶飯事。だけど何ともならないから、みんなで地域の人に謝って回る。「病気を活かして地域の役に立つ」ために、地場産品の日高昆布の袋詰め作業をする。みんな、朝にならないとその日の体調が分からない。「問題を解決しない」「苦労にも善し悪しがある」「管理も配慮もない」「公私混同」など無数のキーワードが生まれてくる。一人でできる仕事をみんなで分担することで、「いつでもサボれる会社」が運営できる。我々が「常識」だと思わされてきたことが、いとも簡単にくつがえされ、「非常識」なルールが彼らの「生活」と「苦労」を生みだしている。入院やクスリによって奪われた「生きる苦労」を取り戻す取り組みだという主張が、実感を込めて伝わってくる。

ところで近眼の人は、メガネを掛けていなくても幻覚が見えるのだろうか。答えはこの本の中にある。毎年開かれる「妄想・幻覚大会」には、ぜひ一度行ってみたい。



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